建設業や工務店が携わる現場では、必ずと言っていいほど「産業廃棄物(以下、産廃)」が発生します。
解体工事、リフォーム、造成工事など、どんな現場にも「廃棄物をどう処理するか」という課題が存在します。
そしてこの産廃処理、実は“排出した業者自身”が最終的な責任を負うことをご存じでしょうか?
宇部市をはじめとする山口県内でも、近年は産廃の不適正処理や不法投棄に対して行政が厳しく対応しており、
法令違反に該当すれば、業者自身が処罰や信用失墜のリスクを負うことになります。
今回は、宇部市で建設・工務店業を営む事業者が知っておくべき「産廃処理の義務と責任」について、専門的な視点からわかりやすく解説します。

■ 「産廃の責任」は排出事業者にある
産業廃棄物処理法(正式名称:廃棄物の処理及び清掃に関する法律)では、
「排出事業者責任」が明確に定められています。
つまり、産廃を出した会社(排出事業者)には、最後までその処理責任があるということです。
たとえ委託した処理業者が不法投棄をした場合でも、依頼した側にも責任が及ぶ可能性があります。
宇部市では、特に解体工事やリフォーム工事における産廃の量が多く、
建設業者が「廃棄物を他社任せにしてしまう」ケースが問題視されています。
たとえば、下請業者や一時的な協力会社が無許可で処理した場合、
元請である工務店・建設会社が処罰対象になることもあるのです。

■ 委託する前に確認すべき3つのこと
専門家の立場から見て、産廃処理を外部に委託する際に最も重要なのは「許可」「契約」「管理」の3点です。
① 処理業者の「許可証」を確認する
産業廃棄物を運搬・処理できるのは、都道府県から正式な許可を得ている業者だけです。
宇部市の現場であっても、許可の範囲(積替え保管や処理の種類)が異なる場合があります。
✅ 山口県内の許可を持っているか
✅ 収集運搬業・処分業の両方を保有しているか
✅ 許可期限が切れていないか
これらを必ずチェックすることが基本です。
② 委託契約書を交わす
見積書や請求書だけで済ませてはいけません。
産廃を委託する際は、**「産業廃棄物処理委託契約書」**を作成し、
排出事業者・収集運搬業者・処分業者の三者で明確に責任範囲を定める必要があります。
宇部市内でもこの契約がないまま搬出してしまい、
後に「誰が責任を持つのか」が不明確になってトラブルになるケースが増えています。
③ マニフェスト(産廃管理票)の発行
解体や建設工事では、産廃の流れを追跡できる「マニフェスト制度」が義務付けられています。
これは、産廃が最終処分まで適正に処理されたことを確認する書類です。
工務店や元請業者は、処分業者から返送される最終票(D票・E票)を保管し、
不備や未返送があれば、責任を持って追跡しなければなりません。

■ 宇部市での行政対応と地域の傾向
宇部市は、県内でも特に産業廃棄物の排出量が多い地域の一つです。
港湾エリアには工場や解体現場が集中しており、建設系廃棄物のリサイクル施設も複数存在します。
一方で、山間部や旧集落地では搬入経路が狭く、現場での一時保管や積替えに関する指導が強化されています。
山口県環境政策課や宇部市環境政策課は、許可業者リストを公開し、
不適正処理防止のためのチェック体制を整えています。
現場での適正処理を行うことは、行政との信頼関係を築く第一歩にもつながります。

■ 現場で見落とされがちなリスクと専門家の見解
筆者(専門家)の経験上、現場で最もトラブルが起こりやすいのは、
「委託した後の確認不足」と「混合廃棄物の扱い」です。
例えば、木くず・コンクリート・金属・プラスチックが混ざった状態で搬出してしまうと、
中間処理場での再分別作業が増え、コストも法的リスクも高くなります。
また、アスベスト(石綿)が含まれる可能性のある建材を一般廃棄物として処理してしまうと、
法令違反に加え、環境汚染・近隣被害にも発展しかねません。
専門的には、「解体前調査」「分別解体」「再資源化計画」の3点を意識することが重要です。
これらを丁寧に行うことで、リサイクル率を高めながら、コストを抑えた施工が実現できます。

■ 適正処理は“コスト”ではなく“信頼への投資”
「廃棄物処理はお金がかかる」と考える業者も多いですが、
実際には適正処理こそが会社の信頼を守る最大のコスト削減策です。
不適正処理で行政指導を受ければ、現場停止・入札資格停止・取引停止など、
事業継続に関わる大きなダメージを受ける可能性があります。
逆に、産廃処理を正しく行う企業は、
・公共工事の入札
・民間発注者からの評価
・顧客からの信頼
すべてにおいて有利になります。
宇部市でも「安全・誠実な施工体制」を持つ企業ほど、行政・地元施主から選ばれる傾向があります。

■ まとめ|宇部市での産廃処理は「責任」と「信頼」がカギ
宇部市で建設業・工務店を営む皆様にとって、
産廃処理は単なる“作業の一部”ではなく、“企業責任の根幹”です。
- 許可を確認する
- 委託契約書を交わす
- マニフェストを管理する
この3つを徹底することが、法令遵守だけでなく、地域社会からの信頼にもつながります。
そして、「適正処理=信頼施工」という意識を持つことが、
これからの時代の建設業に求められる姿勢です。
BLASTでは、宇部市を中心に、
建設・解体現場の産廃処理を安全・正確に行い、
地域と環境に配慮した施工体制を徹底しています。

産業廃棄物の適正処理に関するご相談は、
地域密着の株式会社BLASTへ。
行政対応・分別解体・再資源化まで、専門スタッフが責任を持ってサポートいたします。
