宇部市で古い木造住宅を解体するとき、2026年度の「木造住宅除却補助」を利用できれば、補助額は最大50万円です。ただし、古い家や空き家なら一律に対象になる制度ではありません。所定の耐震診断で上部構造評点が1.0未満と判定された、自ら居住する木造住宅を全て除却し、居住誘導区域内へ住み替えることなど、建物・申請者・工事・転居の条件を一体で満たす必要があります。
受付期間は2026年5月11日から11月30日までですが、予算の範囲内での受付で、募集戸数は2戸です。宇部市公式ページは耐震改修補助について「受付終了」と表示している一方、木造住宅除却補助の残り戸数は公表していません。期間内であっても利用できるとは限らないため、見積りや契約を進める前に市へ対象可能性と残枠を確認することが出発点です。
この記事では、宇部市の2026年度公式案内と、2026年4月1日施行の住宅・建築物耐震化促進事業費補助金交付要綱を基に、対象条件、耐震診断、申請順序、補助額、受領委任払い、完了報告を整理します。
制度情報は2026年9月10日時点です。対象可否、補助対象額、残枠、必要書類、契約や着手の扱いは宇部市が個別に審査・判断します。本記事や解体業者の見立てだけで補助を保証するものではありません。制度改定や予算終了もあり得るため、申請時点の公式情報と建築指導課の案内を必ず確認してください。
2026年度の宇部市木造住宅除却補助|最大50万円でも残枠確認が先

制度の目的は、耐震性が不足する既存木造住宅の安全性向上です。解体費を広く支援する一般的な空き家制度ではなく、耐震診断、全除却、自らの居住、住み替えという流れを前提にしています。公式案内では受付期間を2026年5月11日(月曜日)から11月30日(月曜日)までとし、除却工事の募集戸数を2戸、補助率を23%、上限を1棟50万円としています。
2026年9月10日時点で読み違えないための要点
- 受付期間内でも、予算や募集戸数に達すれば受付できない可能性がある
- 耐震改修補助は受付終了と明記されているが、除却補助の残枠は明記されていない
- 残枠の表示がないことは「受付中」や「あと2戸」を意味しない
- 補助額50万円は上限であり、全員が50万円を受け取れるわけではない
同じ宇部市の解体補助でも、「空家等跡地活用促進事業補助金」とは別制度です。空家等跡地活用促進事業は、不良住宅である空き家を解体し、住宅新築や地域活性化などの跡地活用につなげる制度です。今回の木造住宅除却補助は、自ら住む住宅を耐震診断したうえで除却し、居住誘導区域内へ住み替えることが中心です。空き家一般の条件は宇部市の空き家解体補助を解説した既存記事で確認し、制度名を混ぜないようにしてください。
| 確認項目 | 木造住宅除却補助 | 空家等跡地活用促進事業 |
|---|---|---|
| 建物の使われ方 | 申請者が自ら居住する住宅 | おおむね年間を通して使われていない空き家 |
| 中心となる判定 | 所定の耐震診断で評点1.0未満 | 不良住宅判定と跡地活用 |
| 解体後の条件 | 居住誘導区域内へ住み替え | 住宅新築または地域活性化に活用 |
対象条件|建物・所有者・住み替え先・解体業者をまとめて確認

対象になるには、建物だけでなく、申請者、住み替え先、解体業者の要件もそろえる必要があります。一つでも条件が欠ければ対象外となり得ます。登記事項、建築確認資料、固定資産税資料、住民票、耐震診断結果、見積書などを手元に集め、分からない項目には推測で答えず、市へ確認します。
建物は1981年5月31日以前に着工した一戸建て木造住宅
要綱上の木造住宅は、1981年5月31日以前に着工された一戸建てで、在来軸組工法、枠組壁工法または伝統工法により建築され、3階以下のものです。店舗などとの併用住宅は、住宅部分の床面積が全体の2分の1以上であることが必要です。国、自治体など公的機関が所有する建物は定義から除かれます。
宇部市公式ページでは、1981年6月1日以降に増築されている住宅は原則対象外とし、構造的に分離した増築は例外としています。増築日が不明、離れが後から接続された、確認申請図と現況が違うといったケースは、現地判断だけで対象と決めず、建築指導課へ資料を示して確認してください。
申請者は原則として所有者で、市税の滞納がないこと
申請者は対象建物の所有者で、宇部市税を滞納していないことが要件です。暴力団員ではなく、暴力団や暴力団員と密接な関係がないことも求められます。特段の事情で所有者が実施できず、市長が特に認める場合の例外はありますが、自動的に相続人や親族へ置き換えられる制度ではありません。共有名義、未登記、相続登記前などは、申請者になれる人と同意書類を先に市へ相談します。
国、山口県または宇部市の他の補助金、資金貸付、利子補給などを同じ事業で受ける場合は対象外とする規定もあります。名称の違う制度なら併用できるとは限らないため、申し込んでいる支援制度を全て申告し、市に重複の有無を確認します。
自ら住む家を除却し、居住誘導区域内へ住み替える
除却補助は、申請者が自ら居住する木造住宅を除却し、宇部市立地適正化計画で定める居住誘導区域内へ住み替えることを条件にしています。住み替え先は中古・建売住宅の購入、賃貸、自宅の新築などを事業計画書へ記載し、事業完了後には購入・賃貸契約書または新築工事契約書の写しを求める様式になっています。転居後は住民票の提出も必要です。
除却する家が居住誘導区域内にあるかだけでなく、住み替え先が区域内かを確認するのがポイントです。住所だけでは境界を判断できない場合があるため、宇部市公式ページから区域図やうべマップを確認し、候補物件の契約前に市へ照会してください。
解体業者は宇部市内に本店・支店・営業所があること
工事は、市内に本店、支店または営業所を持つ解体業者を利用する必要があります。単に山口県内の業者であることや、宇部市を施工エリアとしていることだけでは同じ意味になりません。事業実施計画書には予定業者の所在地に加え、建設業許可または解体工事業登録を記載する欄があります。業者選びの前に市内拠点と許可・登録の確認資料をそろえ、市へ適否を確認します。
耐震診断の条件|「古い」「傷んでいる」だけでは対象にならない

除却補助でいう「倒壊する可能性がある住宅」は、外観の印象だけで決まりません。要綱では、日本建築防災協会の「木造住宅の耐震診断と補強方法」に定める一般診断法または精密診断法に基づき、時刻歴応答計算を除く所定の耐震診断プログラムで計算した上部構造評点が1.0未満であることを求めています。
事業実施計画書には、上部構造評点、最も評点が低かった項目、診断報告書を作成した建築士の資格・氏名・所属事務所を記載する欄があります。「築年数が古いから1.0未満のはず」「傾きがあるから対象」と推定して申請するのではなく、制度に合う診断結果と報告書を用意する必要があります。過去の診断結果を流用できるか、宇部市の無料耐震診断を先に利用すべきかも建築指導課へ確認してください。
また、補助対象は住宅の一部を壊す工事ではなく、評点1.0未満とされた木造住宅を全て除却する事業です。母屋だけを壊して構造的につながる一部を残す、減築する、基礎や増築部分だけを扱うといった計画は「全て除却」に当たるか確認が必要です。物置、カーポート、塀、庭木、家財、地中埋設物など、建物本体とは別の撤去費が補助対象になるとは限りません。
空き家一般制度との決定的な違い:この制度は「空き家かどうか」や外観の不良度を主な判定軸にせず、自ら居住する住宅、所定の耐震診断、評点1.0未満、全除却、区域内への住み替えを組み合わせています。既に長期間空き家となっている家は、まず別の制度を含めて市へ相談してください。
診断前に解体範囲や工期を確定すると、評点、増築履歴、除却範囲の条件と合わないことがあります。建築年と増築履歴の資料確認、制度に合う耐震診断、市による対象可能性の確認、現地調査・見積りという順に進めると、手戻りを抑えやすくなります。
申請から着工まで|申請は着手前、工事は交付決定後

要綱第6条の2は補助対象事業へ着手する前の交付申請を求め、第7条は着手を交付決定後に行うよう定めています。解体を先に始めてから領収書を出す事後申請ではありません。申請書を提出しただけでは交付決定ではないため、受付済みでも決定通知を受けるまで工事を始めないでください。対象住宅の調査や見積りは申請準備に必要ですが、どの行為が「着手」に当たるか、特に工事請負契約をいつ締結できるかは要綱本文だけで断定せず、契約前に宇部市へ確認してください。
| 段階 | 行うこと | 注意点 |
|---|---|---|
| 1. 市へ確認 | 残枠、建物、診断、転居先、申請者を相談 | 受付期間だけで利用可能と判断しない |
| 2. 診断・見積り | 適合する診断結果と工事項目別見積りを準備 | 契約可能時期を市へ確認する |
| 3. 交付申請 | 交付申請書と木造住宅除却用事業実施計画書等を提出 | 受領委任払いは予定届出書も添付 |
| 4. 交付決定 | 市の審査と交付決定通知を待つ | 申請受理は交付決定ではない |
| 5. 着手 | 決定後に市の条件に沿って工事を開始 | 内容変更は先に変更申請を確認 |
宇部市公式ページは、木造住宅耐震改修・除却用の補助金交付申請書(様式第2-2号)と、木造住宅除却用事業実施計画書(様式第3-6号)を掲載しています。事業計画書には、耐震診断結果、診断した建築士、除却費、予定業者、事業期間、住み替え先の所在地、所有形態、住み替え予定日を記載します。最新の添付書類一覧は、市が案内する様式と窓口で確認してください。
交付決定後に工事内容や金額を変える場合は、変更申請が必要となることがあります。石綿調査で追加工事が判明した、基礎範囲が変わった、転居先や業者を変更したといったときは、現場判断で進めず市へ連絡します。工事を中止する場合も所定の中止届があります。
補助額の計算と見積り|23%・面積上限・50万円上限を分ける

「解体費の23%、最大50万円」だけでは正確な試算になりません。要綱では、まず消費税を除いた除却工事費について1平方メートル当たり2万7,000円を上限として補助対象額を整理します。そのうえで、除却工事の補助対象額と、除却の代わりに耐震改修を行う場合の耐震改修費相当額を比べ、低い方に23%を掛け、1棟50万円を上限とします。
| 計算段階 | 考え方 | 確認先 |
|---|---|---|
| 除却工事費を整理 | 消費税を除き、対象工事と対象外項目を分ける | 見積書と市の審査 |
| 面積上限を適用 | 補助対象額は2万7,000円/平方メートルが上限 | 対象面積を市へ確認 |
| 比較する | 除却補助対象額と耐震改修費相当額の低い方 | 市が算定・審査 |
| 補助率と上限 | 低い額の23%以内、かつ50万円/棟以内 | 交付決定・確定通知 |
例えば、市が比較に使う低い方の額を180万円と認めた場合、23%は41万4,000円です。低い方の額が240万円なら23%は55万2,000円ですが、上限があるため補助額は最大50万円となります。これは計算構造を理解するための例で、実際の対象額は見積総額ではなく、市の審査、対象面積、耐震改修費相当額、対象外経費などで変わります。
面積上限も先に効きます。仮に市が対象と認める面積が80平方メートルなら、除却工事費側の補助対象額は税抜216万円が上限です。実際の税抜工事費がこれを上回っても、超過分まで23%の対象になるわけではなく、さらに耐震改修費相当額との比較があります。資金計画では、50万円を初めから差し引かず、市が示す見込額と自己負担額を分けてください。
見積りは「木造住宅解体一式」だけにせず、建物本体、基礎、養生、重機・運搬、廃材処理、石綿調査・除去、家財、庭木、塀、浄化槽、地中埋設物、整地などを分けると、市へ対象範囲を確認しやすくなります。補助対象外でも工事上必要な項目はあるため、「対象外=不要」ではありません。
株式会社BLASTの解体工事の価格案内は構造別の目安を掲載していますが、構造、付着物、周辺環境などで価格が変わると明記しています。補助金の計算基礎や正式な請負額は価格表だけでは決まりません。現地調査で接道、隣家との距離、残置物、設備、診断・申請工程まで確認し、補助申請用に内訳の分かる見積書を依頼してください。
完了報告・住民票・受領委任払い|工事後にも期限と書類がある

工事が終われば自動的に補助金が振り込まれるわけではありません。要綱第11条では、事業完了日から数えて30日を経過する日、または交付決定年度の3月10日のうち、早い日までに完了報告を提出するよう定めています。3月10日が土日・祝日の場合は直前の平日です。工期が遅れると報告書類を整える時間が短くなるため、解体・転居・写真整理を同じ工程表で管理します。
公式ページは事業完了報告書(様式第8号)と木造住宅除却補助事業完了報告書(様式第16号)を掲載しています。除却用様式では、事業完了日、対象事業費、交付決定額、解体業者、住み替え先、所有形態、転居日を記載し、除却費の領収書、工事中・完了後の写真、購入・賃貸なら契約書、新築なら工事契約書などを添える構成です。
住み替え後は住民票の写しを速やかに提出する必要があります。様式には、提出がない場合に補助金の返還を求めることがある旨も示されています。解体完了だけをゴールにせず、転居先の契約、新築完成、住民票異動が補助年度の工程に収まるかを申請前に確認してください。
交付決定通知、変更承認、契約書、請求書、領収書、振込記録、工事写真、住み替え先の契約資料、住民票は案件ごとにまとめます。申請者名、建物住所、工事日、支払額が書類間で食い違うと確認に時間を要するため、転居で住所が変わる時期も市と業者へ共有します。写真の撮影時点や必要な構図も、着工前に市の案内を確認してください。
受領委任払いは「申請時の予定届」と「確定後の委任状」が必要
受領委任払いは、申請者が補助金の受領を除却業者へ委任し、市が補助金を業者へ直接支払う仕組みです。利用すると、申請者は原則として工事費から補助金相当額を差し引いた額を準備する形になり、当初の資金負担を抑えられます。利用できるのは木造住宅耐震改修または木造住宅除却の補助で、申請者と業者が制度を理解し、合意していることが前提です。
手続きは二段階です。交付申請時に受領委任予定届出書(様式第17号)を添付し、委任予定の事業者を届け出ます。工事完了報告後、市から補助金額の確定通知を受けたら、補助金交付請求書(様式第11号)に代理受領の委任状(様式第18号)を添付します。委任状には確定額、受任者、事業者の振込口座などを記載します。
申請時の見込額と最終確定額が同じとは限りません。工事内容の変更や審査で補助額が下がる場合に誰が差額をいつ精算するか、領収書をどう整えるか、支払期限をどうするかを申請者・業者・市で事前に確認してください。受領委任払いを選んでも、申請者の契約上の支払責任や必要書類が自動的になくなるわけではありません。
申請前チェックリスト・よくある質問・BLASTへの相談準備

最初の相談までに整理する10項目
- 2026年度除却補助の残枠と、物件の事前相談方法を建築指導課へ確認したか
- 1981年5月31日以前の着工を確認できる資料と増築履歴を集めたか
- 一戸建て木造、工法、階数、併用住宅の床面積条件を確認したか
- 申請者が原則所有者で、市税の滞納や共有・相続の問題がないか確認したか
- 所定方法の耐震診断で上部構造評点1.0未満と分かる報告書があるか
- 対象木造住宅を全て除却する計画になっているか
- 居住誘導区域内の住み替え先と、転居・住民票提出の時期を見通せるか
- 解体業者の宇部市内拠点、許可・登録、見積内訳を確認したか
- 申請前の契約可否と、交付決定後に着手する順序を市へ確認したか
- 受領委任払いを使う場合、申請時から業者と書類・精算方法を合意したか
Q1. 2026年11月30日までなら必ず申請できますか。
必ずではありません。受付は予算の範囲内で、募集は2戸です。2026年9月10日時点の公式ページは除却補助の残枠を公表していないため、受付中と決めつけず、建築指導課へ直接確認してください。
Q2. 今は空き家になっている実家も対象ですか。
この制度は、自ら居住する木造住宅を除却して居住誘導区域内へ住み替えることを条件にしています。空き家であること自体は有利な条件ではありません。既に空き家の実家は、空家等跡地活用促進事業など別制度を含めて市へ相談してください。
Q3. 耐震診断を受けず、築年数だけで申請できますか。
できるとはいえません。所定の診断方法とプログラムで上部構造評点1.0未満とされたことが除却要件で、事業計画書にも評点と診断した建築士を記載します。利用できる診断制度や既存報告書の扱いを市へ確認してください。
Q4. 交付申請前に解体業者と契約してもよいですか。
要綱は申請を事業着手前、着手を交付決定後としていますが、契約が着手に当たるかを記事だけで判断してはいけません。見積り取得と契約締結を分け、契約書へ署名する前に宇部市へ確認してください。工事開始は必ず交付決定後です。
Q5. BLASTへ相談すれば補助対象になると確定しますか。
確定しません。対象可否、残枠、補助額は宇部市が審査・判断します。株式会社BLASTの会社案内には宇部本社と許可・登録情報が掲載されていますが、本制度の業者要件を個別工事で満たすかは、見積書や申請資料を市へ示して確認する必要があります。
まとめ|市の確認と現地見積りを並行し、交付決定前に着手しない
2026年度の宇部市木造住宅除却補助は、最大50万円という金額だけでなく、旧耐震の木造住宅、評点1.0未満、自らの居住、全除却、区域内への住み替え、市内拠点の解体業者という一連の条件で判断する制度です。受付期間内でも予算と2戸の募集枠があり、除却の残枠は公表されていません。まず市へ確認し、診断・転居・解体を一つの工程として組み立てます。
BLASTの解体工事サービス案内では、現地調査で建物構造、周辺状況、重機の搬入経路、地中埋設物などを確認する流れを紹介しています。制度の対象判定はできませんが、申請前の見積りに必要な現地条件を整理できます。市へ確認した内容、耐震診断書、建物資料、住み替え予定をお持ちであれば、見積内訳へ反映しやすくなります。
補助対象と決める前に、建物と工事範囲を整理しませんか。
市への事前確認後、耐震診断結果、建物図面、現況写真、住み替え予定が分かる範囲でご用意ください。対象・対象外を市へ確認しやすいよう、現地条件と見積項目を分けてご案内します。



















